１．種苗法改正の背景はなに？

現行の国際条約では品種の海外持ち出しが禁止されておらず、近年、日本で開発された優良品種が海外へ無断流出する事例が発生していました。このことから、日本の品種を保護することを目的に、種苗法改正案が国会へ上程されましたが、今国会では、新型コロナウイルス感染症対応を優先させたことにより、審議は先送りとなりました。

【制度のポイント】

1. 育成者が輸出先国又は栽培地域を指定できるようになる
2. 農業者の自家増殖にも育成者の許諾が必要となる

 

２．何が争点になっているの？

現行制度では、農家は登録品種でも一般品種でも種苗を次期作に使用できますが、今回の改正後は農家が登録品種を自家増殖する場合、育成者の許諾が必要となります。

品目	米	みかん	りんご	ぶどう	ばれいしょ	野菜
一般品種の割合	８４％	９８％	９６％	９１％	９０％	９１％

３．私たち農家の影響は？

佐賀県においては、米・麦・大豆１００％種子更新、園芸も苗購入を推奨しています。優良品種を守る重要な法改正ですので、次の国会にご注目ください。なお、許諾に関して生産現場や事務手続きの負担増加につながらないよう要請をしています。