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地域的な包括的経済連携(RCEP)の合意

RCEPの合意・署名

11月15日、日本と中国、韓国、ASEAN10か国)、オーストラリア、ニュージーランドの15か国で、RCEP(地域的な包括的経済連携協定)に署名されました。世界人口の約半分、世界GDP
の及び貿易総額の約3割を占める大規模経済圏での連携協定となり、日本にとっては中国や韓国と初めての経済連携協定となります。

交渉に参加していたインドが中国からの輸入急増を懸念し脱退しましたが、結果的に農業生産国が多いことから、各国とも重要品目を守るため高度な自由化は見送られ、農林水産物の関税撤廃割合はTPPや日EU・EPAより低い水準となりました。

野上農相は、同協定の合意について「国内農林水産業への特段の影響はない」と答弁しています。

(1)輸入では重要品目除外

輸入面(日本側の関税)では、国内生産  に影響のある重要5品目(米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源)や、中国から輸入が多い野菜・果樹などについて関税撤廃・削減の対象から除外されました。また、国産品で需要を賄えない品目は段階的に撤廃となりました。

(2) 輸出拡大に向け段階的削減

輸出面(他国の関税)では、人口14億人を抱える巨大市場である中国に対する農産物の輸出拡大が期待されており、段階的な関税撤廃が獲得されていますが、検疫上の理由で輸出できない品目が含まれており、他国との検疫協議の加速化が求められています。

輸 入 【重要品目】
米、麦、牛肉、豚肉、乳製品、鶏肉・鶏肉調製品、甘味資源作物
【日本の関税】
関税削減・撤廃の対象から除外
【中国向け】
タマネギ、ネギ、ニンジン、冷凍ブロッコリー など
冷凍野菜調製品、乾燥野菜 など 段階的に撤廃
輸 出 【中国向け】
パックごはん、みそ、しょうゆ、米菓、日本酒、焼酎 など
【他国の関税】
段階的に撤廃
豚肉、鶏肉、鶏卵、なし、温州みかん、もも、ぶどう、いちご など 段階的に撤廃
※検疫で輸出不可

2.今後の動向

同協定は、来年の通常国会で審議される見込みですが、発効までには一定の期間を要する見通しとなっています。

現在、政府においてTPP等関連対策大綱の改訂に向け協議されており、改訂案では、RCEP合意を踏まえ、中国への輸出促進に向けた体制整備や、国産への切り替えを後押しする生産基盤強化対策等が盛り込まれる見込みとなっています。

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