1月28日、新型コロナウイルス対策やTPP対策、米の需給対策を盛り込んだ2020年度第3次補正予算が成立し、農林水産関係で1兆519億円が計上されました。
農林関係予算を年間でみると、昨年度が補正予算を含め、2兆8,900億円であったのに対し、今年度は3次補正まで含めて3兆9,700億円となりました。新型コロナウイルス対応という非常に厄介な課題があったためではありますが、農家の影響緩和対策に取り組んだ農政活動の成果とも言えます。
<補正予算のポイント>
① 経営継続補助金は、2次公募の財源として措置されました。
② 高収益作物次期作支援交付金は、要件変更による救済策として財源が措置され、交付額が0または減額される生産者を対象に、すでに実施した機械等への投資に対し、減額分を上限に交付金が助成されます。
③ 水田リノベーション事業は、低コスト化技術の導入が必要であり、実需者との早期結びつきが条件となっています。
【2020年度 農林水産関係第3次補正予算 主な事業】(単位:億円)
事業内容 | 予算額 | |
コロナ対策 |
経営継続補助金 コロナ感染拡大防止対策、販路回復や事業継続に向けた取り組みに150万円を上限に助成。 |
571 |
高収益作物次期作支援交付金 コロナ禍の影響を受けた園芸農家の次期作に向けた取り組みとして、機械・資材の購入や品種・技術導入を支援。 |
1,343 | |
肥育牛経営改善等緊急対策 コロナ禍の影響を受けた肥育経営等に対し、コスト低減等の経営体質の強化に向けた取り組みを支援。経営体質強化に取り組む畜産農家へ出荷頭数に応じた奨励金(2万円/頭)を助成。 |
176 | |
TPP対策 |
和牛・乳用牛の増頭・増産対策 増頭奨励金の交付、性判別精液の活用、後継者不在経営体の経営継承などを支援。 |
156 |
畜産クラスター事業 畜産クラスター計画の策定地域に対し、機械導入や施設整備、施設整備と一体的な家畜導入等を支援。 |
481 | |
産地生産基盤パワーアップ事業 高収益作物の生産拡大に必要な機械導入、集出荷施設の整備、経営基盤の継承円滑化、堆肥の活用による土づくりなどを支援。 |
342 | |
米需給対策 |
新市場開拓に向けた水田リノベーション事業 低コスト生産技術の導入を条件に加工用米や大豆、野菜等への転換に4万円/10aを助成。 |
290 |
麦・大豆収益性・生産性向上プロジェクト 圃場の団地化や機械・技術導入による生産体制の強化、豊凶変動に対応した保管施設の整備、商品の開発・マッチングなどを支援。 |
60 |