1.平年値の更新
気象庁は、30年間の平均値で示す平年値を5月19日から更新しました。更新前は1981~2010年の観測値を用いていましたが、5月19日からは1991~2020年の観測値を用いることになります。このことにより、①全国の平均気温は0.1~0.5℃上昇し、②降水量は全国の多くの地域で10%程度増える、こととなりました。
【年間平均気温 新・現平年値の比較】
【年間降水量 新・旧平年値の比較】
2.営農に与える影響
今回の平年値の更新により、従来であれば「平年より高い」「平年より多い」と報道されていた内容が、「平年並み」として報道される可能性があります。気象庁の担当者は「平年並み、平年より多い・少ない、という表現は平年値をもとにわかりやすく表現したもの。今後、気象情報を活用する際はより詳細な情報を入手して役立ててほしい。」とコメントしています。生産者にとって気温や天気の情報は、作物の成育や収穫に関わる重要なものです。「平年並み」という報道だけに頼りすぎると、思わぬ被害が生じる可能性も否定できないため、今後、より正確な情報収集が求められています。