1.注目を集める選挙時期
衆議院議員の任期が令和3年10月21日に満了することを踏まえ、衆議院議員の解散時期が焦点となっています。7月23日~9月5日は東京オリンピック・パラリンピックが開催されることから、総選挙の日程はパラリンピック閉幕後に絞られています。
2.選挙を前に農政を振り返る
近年、TPP・日米貿易協定などが発効される中、政府・与党は農畜産物の関税削減には慎重姿勢で交渉するとともに、TPP等関連政策大綱による国内対策を都度措置してきました。
また、農業政策の中長期方針である食料・農業・農村基本計画では、中小・家族経営の農業者などが地域社会や農業生産基盤を維持するために重要な役割を果たしていると評価し、経営規模の大小や地域条件にかかわらず農業経営の底上げを図ることとしています。
最近では、政府は新型コロナウイルス感染拡大の影響緩和対策として、3度にわたる補正予算を措置し、コロナの影響を受ける農業者の経営継続支援や、資金繰り対策などを措置してきました。
衆議院議員総選挙は、今後の農政の方向性を左右する重要な選挙です。これまでの重要局面における政府・与党の取り組みを改めて確認・評価し、農政運動を通じて真に農業に理解ある代表者を国政に送り出す必要があります。
年月 | 内容 |
H29.10 | 【第48回衆議院議員総選挙】 |
H30.12 | 【TPP11発効】 政府は補正予算において「総合的なTPP等関連政策大綱」に基づき総額5,027億円の国内対策を措置 |
H31.2 | 【日EU・EPA発効】 輸入:チーズ等重要品目で関税削減されたが、国内対策として酪農向け奨励金が措置。 輸出:牛肉や緑茶等の主要関心品目のほとんどが撤廃され輸出しやすい環境に |
R1.7 | 【第25回参議院議員通常選挙】 |
R2.1 | 【日米貿易協定発効】 政府はTPP等関連政策大綱を改定し、日米貿易協定などへの対応として3,250億円の補正予算により国内影響緩和対策を継続措置 |
R2.3 | 【食料・農業・農村基本計画の見直し】 食料安全保障を計画の柱に位置づけ、中小・家族経営などの多様な担い手の役割を評価 |
R3.1 | 【日英EPA発効】 輸入:新たな英国枠を設けず日EU・EPA枠内 輸出:主要関心品目で関税が撤廃され輸出しやすい環境に |
R3.3 | 【改正農協法5年後検討条項の期限】 政府はJA自己改革の進捗を評価。JAグループは「不断の自己改革」を進めることを表明 |
削減・撤廃から除外 |