JA佐賀中央会

農政を学ぼう 〜農政ニュース〜

激甚災害制度について考える

 今年8月中旬、前線の影響により線状降水帯が発生・停滞し、記録的な豪雨となりました。県内では各地で浸水被害が発生したほか、農畜産物や農地・農業関連施設においても甚大な被害が発生しました。
棚橋防災担当相は8月31日の記者会見で激甚災害の指定を発表し、農地・農道・水路などでは県内全域が対象になる「本激」となり、国庫補助率がかさ上げされることになる見込みです。(9月1日時点)

1.激甚災害制度とは 
大規模な災害が発生したときに、その災害を激甚指定し、地方財政負担の緩和や被災者の特別助成措置により復興・復旧を促進するものです。具体的には、地方公共団体の行う災害復旧事業等への国庫補助がかさ上げ、被災者への貸付制度・災害保証の特例措置が設けられます。
1990年代は激甚災害の指定基準が厳しく、指定されたのは1995年の阪神・淡路大震災のみであり、かねてより制度の形骸化が指摘されていました。このため、1999年の激甚災害法改正で指定基準が大幅に緩和され、以後、ほぼ毎年、全国規模の災害は激甚災害に指定されるようになりました。 

2.本激と局激
列島を縦断した台風や大震災など、地域をくぎらずに災害そのものを指定する「本激」と、局地的豪雨などを市町村単位で指定する「局激」があります。本激も局激も、特例措置の内容に違いはありませんが、本激の方が適用される特例措置の数が多いという特徴があります。

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